1.潔癖症(2)・・・日常生活


ここでは「潔癖症のようなもの(不潔恐怖洗浄強迫)」になってしまった私の、日常生活について、いろいろ具体的に書いていきます。1.潔癖症(1)で書いたように、私にとっては大部分のものが汚い物でした。なので、普通にいろいろな物に触れると、毎回手を洗うはめになります。それは非常な苦痛です。できることなら、全ての物に触れずに、生活できればいいのです。でも、それは無理ですよね。そこで、私は考えました。だったら、手で触れなければいいのではないかと。それはこのようなものでした。



潔癖症御用達アイテム

 私の場合、手が汚れなければいいのです。そこで手を触れずにものに触る方法として思いついたのが手袋でした。手袋をはめていれば、手に汚い物が触れることはないのです。でもこれは不可能でした。当時の私はお金がなかったのです。しかも、私の両親は私のこの症状に無理解でしたから、「買って!」と言い出すこともできません。

 そこで、思いついた物がティッシュペーパー! これは便利でした。潔癖症の人なら、きっとよく使ったことと思います。すっごく便利なのですから。使い方は言うまでもなく、ティッシュペーパーを持ち、汚い物に手が触れないようにするだけです。使用後のティッシュペーパーは捨ててしまいます。汚いですから。

 この方法を使うことで、テレビのリモコンにも触れられるようになりました。また、ドアノブもなんとか握れるようになりました。さらには、パソコンのキーボードも使えるようになりました。それまではキーボードも私にとって汚いものだったのです。どうやってティッシュペーパーを使ったのか? それはキーボードの上に2枚のティッシュペーパーを敷く方法です。こうすればどのキーを押しても、手が汚れることがありませんよね。

 でもね、そうするとキーが全然見えないのです! でも、ティッシュペーパーを取って、キーボードを使うと手が汚れてしまうー!! そこで覚悟を決めました。私はキーが見えない状態のままで、パソコンを使い始めたのです。今の私がブラインドタッチが出来るのは、潔癖症のおかげですね。まさに怪我の功名です。










進化する潔癖症対策

 ティッシュペーパーのおかげで、生活は著しく快適なものになりました。ですがこれはこれで、慣れてくると不便なわけです。何かをする度にティッシュペーパーを使うのは、本当に面倒でした。しかもいっぱい使いますから、使用量がすごいことになります。これはちょっと親に申し訳ないですよね。そんなわけで、私はまた考えました。

「汚れて困るのは手だけだ。他の部分は案外大丈夫みたいだし・・・」

「よしっ! 今度は足でいろいろやってみよう!」

 そう思った私はまずテレビのリモコンを足で扱い始めました。これが意外と難しいわけです。ボタンが小さすぎます。「これじゃあ足で使えないじゃん! もっとボタン大きくしとけよ!」と、理不尽なことを思いながら何度もチャレンジ。すると、不思議なものでだんだん狙いどおりのチャンネルに、変えられるようになってきました。他にはラジカセのボタンもやっぱり足で操作します。間違えて録画ボタンを押してしまうこともしばしばしかもそういう時に限って、兄のテープが入ってるわけです。怒られることもしばしば。

 さらには、ドアノブを回そうと考え出します。そして実際にやってみました。無理でした。股が痛い! 私は足が短いのです。身長に占める座高の割合で言えば、きっと日本トップクラスなのです。それにくわえて、体が固い。「ちょっとドアノブは無理かなぁ」、なんて諦めそうになりました。ですが、ここで諦めたら不便なままです。そこで始めたのが柔軟運動です。

 「柔軟運動をやるぐらいなら、さっさとドアノブを握って、手を洗った方が早くない?」と言われたこともありますが、そうでもないですよ。手を洗う時間の長さは結構なものですから。ドアノブ程度だったらそんなに時間がかからないまでも、やはり何分も洗うはめになります。ですから一度体が柔らかくなれば、ドアノブは簡単に開けられるのだから、わざわざ柔軟運動から始めました。柔軟運動の効果というのは、本当にたいしたもので、すぐに体が柔らかくなりました。

 そしてドアノブに挑戦です。まずノブの上に足を乗せます。最初に挑戦した時は、この段階でつまづきました。ですが、この時は楽々! 簡単に乗せられます。そして、ノブを押さえながら、足を下ろしていくと開きました! さらには壁についている自分の肩あたりの高さのボタン。電気のボタンです。それも足で押せるようになったんですよ。でも、残念ながら天井から吊るしてある電気のひもまでは無理でした。ひもを蹴ることは出来たのです。でもあれはなかなか消えません。また、無理をすると壊しかねないので、仕方なくティッシュペーパーを使いました。

 このように私は、ティッシュペーパーや自分の足を使うことで、「潔癖症のようなもの」による不便さを、可能な限り回避して生活してきたわけです。ですが、しばらくこんな生活を続けてきますと、次第にこんなことをしなければならない自分が情けなくなってくるものです。私は次第に、この「潔癖症のようなもの」を治すための模索を、始めるようになっていきます。






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