4.睡眠リズム障害(1)



あれは中学3年の頃のことだったでしょうか。夜に眠れなくなっていったのは。それ以降、28歳までの間、睡眠のリズムがおかしくなってしまいました。ここではその症状の詳細を記すことにします。話が脱線しすぎて分かりにくくなったので、最後に症状を簡潔にまとめておきました。面倒な方はそちらをお読みください(笑)。



発症
 中学3年の夏休みの最後の日。僕は、夏休みの宿題を一切していなかったんです。それで、最後の日は地獄を見ることになりました。最後の日に宿題の全てをしなければならなかったんです。宿題が出来ないまま、学校へ行くなどというのは僕のプライドが許さなかったのです。なので必死になって宿題をしました。

 朝から頑張って、昼過ぎにはほぼ全ての宿題を終えましたよ。我ながら頑張ったものです。無駄に頑張ったものです(笑)。しかし! あと一つ宿題が残っていたのです。それは、ノートを丸々一冊使って、自分の自由に勉強をしなさいというものでした。これはとても時間がかかりますよね。何しろ、ノートを一冊も使わなきゃならないんですから。そこで僕は英単語の書き取りをすることにしました。

 でも、いくら書いても書いても、ノート一冊を書き終われそうもなかったんですね。これは徹夜仕事になりそうだと思いながら、それでも必死に頑張っていたんです。しかし、全然終わりません。そこで僕は考えましたね。必死で考えましたよ。必死で考えて出た結論がこれですね。

 ノートのページを間引くんですよ。ノートのページをこっそり破いて、ページ数を少なくしちゃうんです。そうすることで、英単語を書く量を大幅に減らす事に成功した僕は見事?宿題を終えることが出来ました。そうして、心地よい疲れの中、晩御飯を食べて、テレビを見てから、始業式の準備を済ませてね。当時、不潔恐怖だったから、数時間かけてお風呂に入って、ベッドに横になったんです。

 明日から、学校かあ。面倒臭いなあ。そう思いながら、真っ暗な部屋で目をつぶり、横になって眠れるのを待っていたんです。1時間経っても眠れなくてね。なかなか眠れないなあと思って、ごろごろしていたんだけど、2時間経っても眠れない。こりゃいったいどうしたんだろうと思いながら、さらに横になっていても眠れなくって。時間は夜中の2時とかになっています。

 あまりに眠れなかったので、そのうち眠れるだろうと思い、僕は自分の将来の夢とかを考えながら、ベッドに横になっていました。でも、全然眠れないんですね。困ったものだなあと思いながら、いつか眠れるだろうと楽観的に考えながら横になっていたんだけど、とうとう朝になってしまいました(笑)。母が起こしにきたんだけど、僕は一睡もせずに起きていましたよ。

 しかも、睡眠不足のせいか、酷く吐き気がしたんですね。それで母に言ったんです。「学校へ行きたくない」って。そしたら、母に無理に行かされそうになったので、母と喧嘩になりましたよ(笑)。結局、無理矢理、母を押し切って、その日は学校を休みました。その日以降、13年間、僕の睡眠のリズムはおかしくなってしまいました。

 ちなみに、夏休みの宿題なんだけどね。ページを間引いた、一冊のノートの宿題。あれを後に提出したんだけど、僕のノートだけ、他の子達のノートと比べると明らかに薄くなっていたので、ずるをしたのがすぐにばれてしまいました。悪い事はできませんね(笑)。








中学生活
 それ以降は夜になかなか眠れなくなり、明け方にようやく眠れるような状態になりました。当然、朝起きるのも難しい状態です。母に何度も何度も起こされて、ようやく8時頃に目覚めていました。学校の始業時間は8時15分だったでしょうか。当然間に合いません。間に合わないことが分かっていると、人間落ち着くもので、ゆっくりご飯を食べて、のんびり準備を済ませてから、2時間目の開始に合わせて学校に行きました(笑)。

 自転車に乗って教室の前を通ると、クラスメート達が、僕に向かって、「たくちゃ〜ん!」って手を振るんですよ。僕もそれに応えて、手を振ったりなんかしちゃって(笑)。先生には「重役出勤だなあ」なんて言われちゃって。そんな感じで、毎日通っていましたね。

 そして、授業中に気持ちよく眠るわけなんですね。学校で眠るのはなんであんなに気持ち良いんだろうってくらい、よく眠れましたよ。美味しい給食の時はしっかり起きてて、給食が終わって昼休みになったら、また一眠り。学校に眠りに行ってるようなものでしたね。そんなだったので、成績は落ちる一方でした。高校受験が近づいていたのに、志望校に入学するために必要な380点に100点も及ばない状態でしたよ。

 でも、常時睡眠不足で、勉強も頭に入らず、というより、授業中にちょくちょく眠ってるから勉強なんてしてないので(笑)、点数が上がるはずもありません。しまいには英語のテストで19点を取る始末です。成績はどんどん落ちていったので、僕は志望校を変更せざるを得なくなってしまいました。恐るべし、睡眠リズム障害!!








高校生活
 そんな中学生活の結果、不本意な高校に入学した僕なのでした。高校に入学しても、やっぱり夜は眠れないんですよ。面白いくらいに眠れません。何をしても眠れませんでしたね。電気を消して部屋を真っ暗にして、目をつぶってね。いつか眠れるだろうと思いながら、横になっていても眠れないんです。悲しいことです。

 あまりに眠れないものだから、だんだん眠る努力をしなくなっていきましたよ(笑)。テレビの深夜番組を見だしちゃったんです。しかも当時は「ダウンタウンのがきの使いやあらへんで」とかが始まった頃でしたから、深夜番組が面白くなってきた頃だったんです。

 僕はすっかり深夜番組にはまってしまい、それ以降は毎日、深夜遅くまでテレビを見て、テレビ放送を見終わってから、眠るようになりました。なぜか、テレビを全て見終わったら、満足するのか眠れたんです。午前4時頃なんですけどね。そして、2時間後の6時に起きて、学校へ行っていました。毎日睡眠時間2時間で生活していましたよ。

 そんな睡眠時間なので、当然学校では眠くて仕方ないんですね。授業中に眠る事もしばしばです。というか毎日でしたよ。テスト中もぐっすり気持ちよく眠ってました。テストが配られた瞬間に眠り、テストは白紙で提出する始末です。テストの結果は散々でした。高校では眠いながらも一応勉強はちゃんとやっていたので、普通にやった科目では満点近く取れてたんだけど、その時は眠すぎてそれどころじゃないんですね。眠っちゃいましたよ(笑)。

 体育の時間では、懸垂をやらされたんだけど、中学時代には飽きるほどできた懸垂も、1回も出来なくなっていました。力が全然入らないんだよ。毎日の睡眠不足のせいで、体力が極度に落ち込んでいたみたいです。睡眠って大事だなあとしみじみと思いましたね。睡眠リズム障害になって、睡眠不足になると体もまともに動かなくなるものなんですよね。

 その後、毎日の睡眠不足から、意欲が低下し、無気力になっていき、学校へ行くのも億劫になり、学校へ行かなくなってしまいました。睡眠リズム障害だけではなく、対人恐怖も、たぶん鬱病もこの頃から患っていたでしょうから、それらの影響もあったのでしょう。僕は、学校へ行けなくなり、2ヶ月ほどでこの高校を辞めてしまいました。睡眠リズム障害がその大きな要因の一つであることは間違いありません。恐ろしいことです。








正社員時代
 高校を辞めた僕は、しばらく、何もせずに家にいました。思う存分眠りこける生活。好きな時間に起きて好きな時間に寝る生活をしていました。このような生活をしていると、だんだんと決まった時間に寝て起きる、規則正しい生活を送るのが不可能になってきます。もはや自分では修正するのが難しい状態になってきますね。

 そんな時、このまま家にいても仕方ないということで、正社員として就職する事になりました。結構有名な企業の工場です。でも、睡眠リズム障害の僕ですから、夜になかなか眠ることが出来ないので、やっぱり朝起きることが出来ないんです。ここでもやはり睡眠時間2時間程度で仕事に行っていました。夜にあまりに眠れないので、今や映画で有名になった「ロード・オブ・ザ・リング(邦題、指輪物語)」の小説を読み耽っていましたよ。

 この会社でも毎日のように遅刻しながら、なんとか2ヶ月勤めたのですが、その2ヶ月の間に指輪物語の全巻を読み終えたくらい、夜は眠れませんでした(笑)。そんなだったから、仕事に身が入るわけもなく、仕事中もくらくらしてて、まともに仕事もこなせなかったので、そのまま2ヶ月で辞めてしまうことになりました。超優良企業だったので、今思えば勿体無いことをしました。

 でも、そんな超優良企業にさえも、まともに通勤して仕事ができないほど、睡眠リズム障害になると、駄目なんですよね。日常生活がまともに送れず、仕事もできず、絶望的な気持ちになってしまいました。この頃の僕は一生睡眠リズム障害が治らないものと思っていました。どうしたら、子供の頃みたいに規則正しい生活が出来るのだろうと考えても、どうにもならない状態でした。


定時制高校時代
 正社員として働く事に挫折した僕は、せめて高校は卒業しておきたいと思い、定時制高校に通うことになりました。定時制高校は夜の5時55分から9時までの時間帯でした。当時の僕は睡眠のリズムが、もうどうしようもないくらいめちゃくちゃでした。朝、眠って夕方起きたかと思えば、次の日は夕方にやっと眠れて、起きるのがその日の夜中とか、その次の日からはなぜか丸2日間眠れなかったりとか、それはもう毎日毎日、眠って起きる時間が一定していませんでした。

 そんな僕でも、定時制というのは3時間しか行かなくてもいいわけだったので、その3時間をなんとか起きて、学校に行ければ、それで問題なかったので、なんとか通うことができました。でも、本当になんとか、という感じでした。睡眠のリズムが合わなくて、学校の時間に眠くなる時がちょくちょくあって、そんな時は眠気でふらふらになりながら、時には眠りながら自転車に乗って学校へ行ってました(笑)。そしてとても嬉しい事に卒業する事ができました。定時制高校だったから、卒業できたといった感じです。


新聞配達
 高校卒業後、何度も就職するのですが、対人恐怖、鬱、睡眠リズム障害の三重苦によって、まったく続けることが出来ない僕なのでした。そんなある日、新聞を読んでいたら新聞配達のアルバイトの募集広告が! 「これだ!」と思った僕は、早速この仕事を始めることにしました。

 新聞配達は1日1時間程度の仕事です。定時制の時と同様、この時間にさえ起きていれば問題ないわけなので、なんとか続けることができました。それでも上手く配達の時間に起きていられないのです。たった1時間起きていられればいいのに、その時間に起きているのが極めて難しいんですね。

 たとえば僕がよくやったのは、新聞配達の時間になるまで、徹夜して頑張って眠らずに配達へ行くことでした。そうしないと、ちょうど配達の時間に眠ってしまうことになるからです。夜に眠って早起きしようとしても、決まった時間に眠ることが出来ないのです。どうしても無理だったんですね。なので、そんなことをするはめになったというわけです。

 その後、夕刊も配り始めたのですが、睡眠リズム障害のせいで、新聞店にはいろいろと迷惑をかけることになりました。眠る時間が一定しないので、朝寝坊して遅刻して、その日の夕刊にも寝坊して遅刻するという、前代未聞の不祥事を何度も起こす始末でした(笑)。それでも新聞配達は勤務時間が短いおかげもあって、なんとか続けることができました。





僕の症状についてのまとめ
 話が脱線しすぎて、過去の思い出話みたいになってしまいましたので、最後に僕の症状をまとめておくことにします(笑)。

1.夜、眠りに入るのが困難(布団の中で何時間も眠れません)

2.眠くなる時間が毎日変化する
(例えば、今日夜の8時に眠れたら、翌日は夜中の3時で、翌々日は朝の7時にしか眠れなかったりします)

3.そのような状態なので、当然起きる時間も一定しません。

4.昼夜逆転という言葉がありますが、僕の場合、眠る時間と起きる時間が少しずつ、もしくは大幅に毎日遅れ続けていたので、昼夜逆転に次ぐ逆転といった感じでした(笑)。

5.以上のように、規則正しい睡眠がとれなかったので、社会生活に適応できなくなってしまったのが、僕の睡眠リズム障害でした。







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